夢幻的プラネタリウム

visionary planetarium

「クレイジーフォーユー」 11/1

劇団四季が来る!見る!だけで足を運んだので、話をさっぱり知らずに見た。

劇場を差し押さえるために都会からやって来た男と、田舎で父の劇場を守ろうとする女の子のボーイミーツガール的物語。もっとショーに全振りした話だと思っていたので、最後は組み立てたショーをばんっ!と見せてくれるんだと思っていたらちょっと違った。すれ違いを重ねた恋の行方が主軸の物語。生活の中に音楽が入り込み、歌うことを知り踊ることを知った先にあるのが「あなたは私たちを変えてしまったの」という言葉なの、ものすごいなと思いながら見た。「一緒に働いて 一緒に考えて 生きてるって実感してる」とまるごと作り変えられてしまった上で「このリズム このミュージック この恋 他にはいらない」と言い切るの、凄まじいよ。最後に完成したショーを見られなくても、この言葉に辿り着くことで、そのショーの存在の大きさがわかる。

座席位置の関係で上手がほぼ見切れていたのだけれど、途中からそれも気にならないくらいのめり込んで見ていた。割と序盤の10人でハイヒールを履いたままタップダンスを披露するのがもう特別圧巻で!車から次々ダンサーが出てきて車に次々ダンサーが吸い込まれていくのもマジックみたいですごかった。上手で行われているから詳細がわからなくて余計に種も仕掛けもないように見える。セットが本当に大掛かりなのも見応えにだいぶ影響している気がする。夜でもネオンで華やかに彩られているニューヨーク、砂煙が舞っていそうなデッドロック、その中で親しまれながらも異彩を放つ唯一の劇場。場面で場所が変わるとがらっと印象も変わるから没入感がすごい。ニューヨークもデッドロックもどこか暗い影があるような描写から入るのに、音楽で何もかも塗り替える!と言わんばかりのコメディっぷりではちゃめちゃに楽しい印象を残して残るの、良いミュージカルだった。