夢幻的プラネタリウム

visionary planetarium

「シン・仮面ライダー」

 
特報がめちゃめちゃよかったから見たい!と全国舞台挨拶していたキャスト4人しか知らない状態で見ました。いくつか見かけたネタバレなし感想は突拍子もない良し悪しが見えないものばかりで若干身構えてはいた。数年前に「仮面ライダー THE FIRST」を見ていた、劇場に行く前に「真の安らぎはこの世になく」の試し読みをして「仮面ライダー」を5話まで見た。この状態で見ました。別にどれも見ていなくても楽しめたとは思うけれど、見ていたことでわかることが増えるので楽しさは広がるかも。結果としてめちゃめちゃめちゃめちゃおもしろかったので劇場であと3回くらい見たい。両極端な感想が見受けられるのは、減点式か加点式かの違いな気がする。私は加点式で見たので100点満点中5億点を叩き出して見終えました。良すぎた。

ということで加点箇所を羅列します。改造人間になってしまった本郷猛が振るった拳の一撃でショッカーが血を噴き出す描写。爆破されるあばら家、走行しながら変身するサイクロン号、風を受け変身する本郷猛という一連の流れ。コオモリオーグを相手にした空中からのライダーキック。斎藤工とシルバーフレームのめがねをかけた竹野内豊。サソリオーグの何もかも。「僕ではなく僕のプランを信じてくれ」「そうね、プランではなくあなたを信じてみることにする」の応酬。ハチオーグの造形。「私のせいで泣いて、傷ついて、切なくなって」「残念、るりるりに殺してほしかったのに」という言葉を残すハチオーグの歪な友情と愛情。コンビナートでの本郷猛と一文字隼人の戦い。「悲しみの洪水に耐えて、一文字隼人」というルリ子の台詞。「裏切りは人殺しよりも悪で、敵討ちは人助けよりも善だ」と言い切るKKオーグの立ち位置。悲しみの洪水に耐えて自らを取り戻した一文字隼人。「ふたりでダブルライダーか」の台詞。トンネルという暗がりで僅かな目の色の差異だけで魅せるショッカーライダーとの闘い。仮面ライダー0号。一文字隼人の「なんだよ、また一人かよ」という言葉の響き。続く「まあいいか、人間生まれるときも一人、死ぬときも一人だ」という台詞。「立花だ、この男は滝」という種明かし。継承。「俺たちはいつも一人じゃない、二人で一人だ」「ふたりでショッカーと戦おう」の台詞とラストシーンのロケーション。モーションアクター、光学作画、総宣伝監修、プロモーション、ティザー、ポスター、特撮班准監督と様々なスタッフクレジットにある庵野秀明の名前。エンドロールで流れる曲たち。以上です。

非公開キャストはだいたい声で気がついたのだけれどクモオーグは正直聞いたことある声だ止まりだった。誰かわかってから聞いたらもうそれ以外には聞こえないくらい明らかなのに。ロケーションといい動きといい特撮的な印象が強いクモオーグ戦にめちゃめちゃテンションが上がったのだけれど、全体を通してだとハチオーグ戦がとても好き。ハチオーグ、造形が最高だから何をしても最高。剣使いなのもいい。全体のトーンの温度が低いので、そこまで長い尺ではないサソリオーグの異様なテンションが際立っていて見終えてからもずっと残っているの意味がわからない後味なんだよな。あと3回くらい見たいのうち少なくとも1回はサソリオーグ目当てだもん。それ以外の細かい部分をいくらでも楽しめそうな作り込みなのもずるい映画だった。